無鑑査『今泉俊光』高弟 幻の名工【備前国住俊宗】

太刀銘 長光写し本鍛錬の豪壮刀 飛焼かかる華麗丁子乱れ

裏年紀入 赤銅着ハバキ 上手白鞘


■コメント■
ご覧いただきありがとうございます。

【太刀銘】
表『備前國住俊宗作』
裏『昭和十九年十一月吉日』

俊宗刀匠は本名を大木林太郎といい明治34年生まれ、
岡山県児島郡小川に住して作刀した知る人ぞ知る名工です。

岡山県重要無形文化財にして無鑑査の『今泉俊光』刀匠が
大正13年に児島郡赤嵜に移住し独自で鍛刀研究をしていた頃に
俊光刀匠に入門して当時唯一の門人かつ協力者として作刀を支え、
戦中は俊光刀匠は陸軍、俊宗刀匠は海軍の受命刀匠として活躍し
共に岡山を代表する腕利き鍛冶としてその名を轟かせました。

作刀初期より師・俊光刀匠の相槌を務めたことに加え、
海軍刀は艦と共に沈み失われてしまったものが多いことから
現存する作品は極めて僅少ながら古作を思わせる備前伝に長じ、
また鋭い斬れ味と強靭性にも定評のある昭和の業物工です。


本作は郷土・岡山の愛刀家様により秘蔵された本鍛錬の優品、
稀少な昭和19年紀入の太刀銘を刻した長光写し豪壮傑作刀です。

刃長2尺2寸6分超とやや長寸で適度な反りがついて
身幅・重ねゴリゴリで中鋒延びた覇気溢れる体配を呈し、
841gのずっしりとした刀身重量ながら手持ちのバランス優れ
鑑賞・武用の双方にお薦めできる一振となっています。

強く錬れた小板目肌が精緻に詰んで潤う地鉄に地沸微塵について
刃文は足・葉よく入り変化に富んだ華やかな備前伝丁子乱れを焼き、
処々飛焼きかかって刃縁に繊細な小沸よくつき地刃明るく冴えるなど
備前長船の金字塔と名高い長光の古作を彷彿させる秀麗な出来を示し、
俊宗刀匠の卓越した技量が存分に発揮された華実兼備の逸品です。

赤銅を着せたハバキと上手白鞘による入念な仕立がなされ、
家宝としては勿論、郷土資料としても大いに有意義な一振です。


無鑑査・今泉俊光の躍進を支えた名工『俊宗』刀匠による
極めて貴重な長光写し本鍛錬豪壮刀を末永くお楽しみ下さい。


ご不明な点などございましたらお気軽にご質問下さい。

■詳細■
◇◆ 寸法 ◆◇

刃長：68.5cm 元幅：3.26cm 先幅：2.36cm

元重：0.78cm 先重：0.56cm 反り：1.6cm 目釘孔：1個

刀身重量：841g

（素人採寸につき多少の誤差がある場合がございます）


◇◆
・刃切れ等の大きな欠点は見当たりません。
・刀身のヒケや鍛え、僅かな小錆等はご容赦下さい。
・古物にご理解をいただき神経質な方は入札をご遠慮下さい。
・各所、画像にてご判断いただき不明な点はご質問下さい。

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