72年発売、￥12500。殆ど同じデザインのステレオメイト(スピーカー付ステレオ用アダプター)を接続すればステレオが楽しめるという当時流行っていたハイファイラジオの一台です。スピーカーは16cmで可也大きい。どこかで見た様な気がしたので、手元のストックを調べたら、同年に発売されたRF-740という当時ポータブルでは最大径のスピーカーを搭載した2バンドラジオのそれと同じものの様です。RF-740は大音量が出せる音楽用ラジオという触れ込みで販売されていましたが、此方で数台扱った印象では音が何となく鈍い感じがあってどうかなあと思っていましたが、このRE-788も全く同じ傾向で、音は太い感じで迫力があると言われればあるのでしょうが、何というかもっさりして鈍い感じ、専門的にいうと解像力が足りない感じです。入手時点での汚れや瑕、故障箇所が多く、経年劣化は否定できないと思いますが、小生の記憶の中にあるホームラジオは正しくこんな音でした。一方で確信は持てませんが、これは意識的な音作りの可能性もあります。なんと言っても聴きやすい。特にAM、FMの音質差が殆ど分かりません。AMのみを聴くと可也良い音ですが、FMに切り替えてもおんなじ感じの音で逆にガッカリします。この個体はメインスイッチが壊れ、スライドボリュームのツマミも欠品、全体的にも凄い埃とヤニで整備、調整には結構手間取りました。但し、整備後には特に問題は有りません。メインスイッチ、スライドツマミはナショナルの他のラジオの物を流用、従ってオリジナルでは有りません。但し雰囲気はキープ出来ていると思います。整備すると割とスッキリとした良いデザインです。ダイヤルライトも点灯しますが、驚くほど古い形式のランプが使われています。良いデザインと気にならない音、という事でBGMには良い感じです。3.5Wの出力で16cmスピーカーなので音量は十分です。